生きづらさは自らの心が作り出している
人には誰でも多かれ少なかれ生きづらさを感じながら生きているものだと思います。
しかし、生活もままならず、睡眠や食事も摂れないほどになってきたら、医療の手助けが必要なほど危険な状態と言えます。
病院に行きたくない、行くほどではないと思う人もいるかもしれませんが、ここまでになると医療と薬の力を借りる必要があります。状態によっては自分の命の危険を感じられないほど感情が麻痺してしまっていることもあるでしょう。
心理学の世界では、生きづらさを感じるのは過去に遭遇した出来事によるトラウマからきているものとも考えられたりします。
トラウマの治療においては、様々な方法で回復を目指すことが試みられますが、それは認知行動療法であったり、EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)などがありますが、
どのような状態においても、しっかり意識すべきことは「今、その出来事は起きていない」ということです。
過去の体験と間を取り、「今ここ」では、その過去の出来事は起きていないのであるということを、しっかりと強く意識することに尽きます。
過去のことは過去であり、過ぎ去ったことであって、今はその出来事は起きていないのだということを現実として、今ここに存在している自分に気づくことです。
ただ、これは日常において強く意識しておかなければ、元に戻ってしまいます。
それはトラウマからの回復に限らず、カウンセリングにおいては、どんなことも自分を変えたければ、「なりたい自分」「変わった自分」をイメージし、そうなるための行動を実行することをやり続ける努力が必要です。
カウンセリングの世界だけではなく、起業のマインドセットにおいてもこの考え方は有効ですし、何かをやる、状況を変えるには思いを行動に移すことは必須です。
その努力を怠っていては、現状は変わりません。ですから、カウンセリングは癒しだけではなく、ある意味苦しみも伴う作業になります。
これを嫌がっていては回復は遅れる一方です。
逆につらい状況やマイナス思考に浸っている方が楽だという場合もあります。
「マイナスの快感」という言葉がありますが、そのような状態に浸っている人は、生きづらさを自ら作り出しているようなものなのです。
つらい状態でいる方が、或いはマイナス思考に落ちっている方が楽であり、周囲の人があれやこれやと世話をしてくれるので、つらい状態にいる方が楽であるという考え方を無意識にしてしまっている人もいることでしょう。
そうなると「生きづらさ」というものを自らの心で作り出している場合もあるのです。そのような人は、最終的には人やモノなどに依存し続けなければ生きていけない状態になります。
もう一度申し上げます。
生きづらさは時に自らの心が作り出しているものであることを、どうか忘れないでください。