ASDと無欲の星
ケートゥは、インド占星術(ジョーティッシュ)に登場する「影の惑星」です。実際に光っている天体ではなく、月の軌道と太陽の通り道(黄道)が交わるポイントのひとつを指します。対になる存在はラーフで、神話ではひとつの存在が二つに分かれ、頭がラーフ、胴体がケートゥになったと語られています。
ケートゥの大きなテーマは「手放し」と「内面化」です。ラーフが“欲望”や“拡大”を象徴するのに対し、ケートゥはその逆で、“すでに体験し終えたもの”や“執着を失ったもの”を表します。たとえば、周囲が評価する成功やお金、地位などにあまり強い関心が持てない場合、ケートゥの影響が強いと考えられることがあります。
また、ケートゥは「過去生のカルマ」とも関連づけられます。生まれつき自然にできることや、努力しなくても理解できる分野は、ケートゥが示す“すでに身につけている資質”と解釈されることがあります。
ただし、そこに安住しすぎると成長が止まってしまうため、バランスが大切だとされます。
精神性や直感、スピリチュアルな探求もケートゥの象意のひとつです。瞑想や哲学、目に見えない世界への関心が強まることもあります。一方で、現実的な目標に対してモチベーションが下がったり、人とのつながりに距離を感じたりすることもあり、孤独や分離の感覚をもたらす場合もあります。
しかし、ケートゥの本質は決してネガティブなものではありません。不要なものを削ぎ落とし、「本当に大切なものは何か」を問いかける働きを持っています。
何かを失う経験の中で、本質に気づくこともあるでしょう。
この星の特徴を考える時、発達障害の特性にも当てはまるのではないでしょうか。
特にASDという発達特性の場合、自分が興味があることにはとことん拘ります。しかし、興味、関心のないことには、全くの無関心です。
ケートゥの特徴に当てはめるならば、自分にとって本当に大切なことを見つけた時、一心不乱にそのことに打ち込むポジティブな特性として開花されることでしょう。その代わり、それ以外のことは不得意であったり、他者と打ち解け合う等、コミュニケーションが上手くできない等のことが生じるかもしれません。
しかし、それは自らの才能(特性)を最大限に活かすためには、やむを得ない現象でもあるのではないかと思うのです。
ケートゥは、足し算ではなく引き算のエネルギー。外側の成功よりも、内側の成熟を促す星です。静かですが、深い成長をもたらす存在といえるでしょう。
このケートゥの象意が、皆さんにどんな影響を与えているかお分かりでしょうか。この星の影響がどう出るかによって、その人が歩む今生の人生の在り方が見えてくるのではないでしょうか。
そして、それはこのケートゥに限らず、どの星も互いに影響し合っているので、良い、悪いという判断はできないものなのです。そして、その星の特性をどのようにして上手く引き出すかは、詰まるところあなた次第なのです。

