寸善尺魔
この言葉を聞いて、皆さんは何を想うでしょうか?
四字熟語辞書で調べますと、「この世には良いことが少なく、悪いことのほうが多い」ということのたとえです。
また、良いことがあっても悪いことに妨げられることなのだそうです。
「寸善」は少しの良いことで、「尺魔」は多くの悪いことです。
「尺が寸の十倍の長さであること」と、書いてあります。
今の世の中は、いえ、もしかしたら、ずっと大昔から、これは言えることかもしれないですね。
上記の意味は、広義で言えばそのような意味合いになると思いますが、もっともっと、狭義で考えると、一人の人間の心を表していることも言えます。
「一寸の善を表に出して、裏には数尺の魔の心を宿している」
この一人の人間の心の在り方が、広義で言うと「この世には良いことが少なく、悪いことの方が多い」という状態になるのだと思います。
一寸の善は、相手を思いやっているようなフリをして、裏では相手を自分の都合の良いように操作しようとする心の状態と言えるでしょう。
初対面からやけに馴れ馴れしい人、フレンドリーな人、相手が浮かれてしまうようなお世辞がうまい人や口が達者な人は気を付けて接する必要があることでしょう。
顔つきは、やけにニコニコしている人、やたら誘ってくる人なども寸善尺魔の心を抱いている人が多いように感じます。
ただ、これは誰しもが抱きやすい心の状態でもあります。
そのような心を持たないようにするためには、私たちひとり一人が、常に自分の心の在り方を観察して見直す努力が必要であると思うのです。


