自称HSPが増えすぎ?

 ここ数年でHSP(Highly Sensitive Parsons)と呼ばれる非常に繊細な気質を持つ人が増加しました。増加というよりは、もともと潜在的に存在していたのが、社会に存在していることが広く知れ渡ったことで、HSPの人が市民権を得たように、「私も実はそうである」とカミングアウトする人が増えたのではないかと思います。

 HSPの人は、外部からの刺激に対して非常に敏感で、感情や感覚が他の人よりも強く反応する傾向があります。例えば、音や光、匂いなどの環境の変化に敏感であったり、他人の感情に強く共感したりすることが特徴です。

 HSPは病気ではなく、生まれ持った気質です。人口の約15〜20%がHSPであると言われています。HSPの人は、深く考える傾向があり、感情の反応が強く、細かいことに気づきやすいという特徴があります。

 

 たしかにこうした気質があって、疲れやすかったり、疲れていてもなかなか人に言いづらいというのはあるかもしれません。

 

 でも、これは病気ではないので、障害者のように合理的配慮など求めることは、難しいでしょう。そうなると、やはり自ら工夫する必要があったり、なんらかの対処法を検討する必要があります。その手段の一つとして、周囲にカミングアウトして理解を得ることが必要であることから、カミングアウトをする人が増えたのではないかと思うのです。

 

 これを上手く利用して心理カウンセラーになる人もいるでしょうし、その敏感な感覚を利用して、調香師や料理人あるいはソムリエなどになる方もいらっしゃるでしょう。

 

 詰まるところ、カミングアウトすることで周囲の理解を得られ、自分に合った仕事に就くことができれば苦しむことは減るでしょう。

 

 しかし、世の中にはその感覚に無理解な人もいるのは確かです。全員に理解を得られることなど皆無に等しいものでもあります。

 

 「繊細なんだから理解して」「敏感なんだから気遣ってください」と被害的になって、要求することは違うように思います。

 

 それを利用して自分の都合の良いように周囲を動かそうとしたり、相手を操作しようとするずる賢い人も中にはいますので、ご用心です。自称HSPさんは気を付けましょう。

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